発電側基本料金~背景、いつから、問題点を考察~

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発電側基本料金とは、送配電網の維持、運用に係るコストの一部をそ電気を送っている発電側の事業者に課金する仕組みで、2023年度の導入を目指して制度設計を進めてる。 現在は、送配電網の維持、運用に係わる費用は、託送料金として小売電気事業者が電気料金として最終消費者から回収している。

現在の託送料金制度では、送配電網などの投資にかかる固定費が8割を占めるといわれているが、基本料金として3割、従量料金として7割程度の回収となっており、ミスマッチが生じている。このミスマッチが電気使用の効率化による需要減少により更に拡大する恐れがある一方で、太陽光発電、風力発電を始めとした再生可能エネルギーの発電が普及により必要な送配電網増設のための投資費用の回収不足が発生する可能性があり、電力の安定供給に必要な送配電網の維持運営に支障をきたす恐れが発生する。

こういった背景を元に現在最終消費者が負担している託送料金の一部を発電者側にも求めるべきとの声があがってきた。

この話の流れを踏まえたとき、如何にも真っ当な意見らしくもみえるが、発電事業者側の現場は慌ただしい。

発電事業者は公益会社ではなく、一般的に営利企業である株式会社が運営を行っており、基本的に投資の一環として発電事業を行っている場合が多い。発電事業は基本的に最低でもFIT期間に相当する20年スパンで事業計画を立てて投資費用を回収できるかという観点で投資にかかる意思決定を行っている。

更に大型の案件であれば金融機関からプロジェクトファイナンスという形で長期融資を借り入れている場合もある。

通常のプロジェクトファイナンスにおいてはコベナンツという制約条件を金融機関から課されており、事業計画よりこれくらい収支が悪化したら金融機関のローン保全のため、配当停止(ざっくりいって運営側へ利益が入ってこない仕組み)等の措置がとられる場合がある。

今回の発電側基本料金導入により、元々想定していた投資利益が得られないこととなり、発電事業者側から不満の声があがっていることから、制度設計に関しては慎重な議論が求められる。

本来こうした制度変更によるものについては国が一定の負担を行うものであるべき、という考え方が海外市場では一般的となっているため、電力業界に限らず海外事業者が日本への投資を控える恐れもある。具体的にやや極端な例ではあるが、巨額の財政赤字に歯止めをかけるべくFIT制度を廃止したスペインについては、そうした制度の不安定さを嫌って投資を手控える関係者も多い。

現在発電側基本料金の導入時期については2023年度を目途とされており、ワーキンググループ内で議論が進められている。

今後の議論に着目していきたい。

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