太陽光発電施設の解体等費用積立~撤去費用リザーブの水準や必要額~

太陽光発電設備の廃棄等費用の確保に関するワーキンググループにおいて議論されていた解体等費用積立について2021年2月8日に再エネ特措法施行規則の改正案がパブコメに付された。

規則改正案の主なポイントは、既に定められている電力広域的運営推進機関(OCCTO)に対して納付する外部積立だけではなく、内部積立が認められるための要件などが定められた点にある。これにより、一定の条件を満たすことを前提に、金融機関との間の合意に基づいて内部積立をすることが認められることとなることから、プロジェクトファイナンスを得て、金融機関から積立を求められる案件において活用可能な制度設計がなされたといえる。

内部積立が認められるための要件(改正再エネ特措法第9条第4項第7号)

内部積立が認められるための要件を以下に記載する。あくまで原則は外部積立の手法となるが、以下の要件を満たした場合に内部積立が認められることとなる。

  1. 積立額の総額が解体等積立金の額の算定において基礎とした解体等に通常要する費用の額を上回るものであること(充分性)
  2. 解体等積立金が外部積立されるよりも早期に積み立てられること(適時性)
  3. 以下のいずれかの方法によって積み立てられること(妥当性)
    • 金融機関との契約において、再生可能エネルギー発電事業における収支計画及び積立金の管理に係る事項が定められ、当該積立金が他の用途に用いられないことが確保されていること
    • 認定の申請をした者又はその親会社等若しくは子会社等(金商法上の金融商品取引所又はこれに準ずる取引所において株式を上場している場合に限る)が、会社法上の計算書類又はこの附属明細書において解体等に要する費用に充てるための資金を計上していること又はこれに準ずる場合
  4. 上記の積み立て法以外の方法によって資金を確保する場合においては、当該再生可能エネルギー発電事業の終了時において確実に通常要する費用に確保が可能であること
  5. 毎年、確保されている解体等に要する費用に充てるための金銭の額(金銭の積立以外の方法によって資金を確保する場合にあっては、当該金銭の確保の方法)を公表することに同意すること
  6. 上記各要件を満たさなくなった場合は、外部積立となることについて同意すること

対象案件

解体等費用積立の対象となる案件は、経済産業大臣が指定することとされ、規則改正案に現時点で明示されていないが、基本的には10㎾以上のすべての太陽光発電のFIT/FIP認定案件が対象になるといわれている。

解体等積立基準金額

解体等積立基準金額は以下の通り認定年度毎に解体等積立基準額を定めることとされている。

資源エネルギー庁資料より抜粋

積立期間

積立期間は一律調達期間のうち後半の10年間とされている。積立開始時期は最早で2022年7月1日とされ、終了時期は調達期間が終了する日となる。想定される積立開始時期は以下の通り。

  1. 調達期間が終了する日から起算して10年前の日が、2022年7月1日より前の日である場合:2022年7月1日以降に最初に検針等が行われた日
  2. 上記以外の場合:調達期間が終了する日から起算して10年前の日以降に最初に検針等が行われた日

今後求められる対応

これらの改正については、2022年4月1日に施行予定である。これまで開発されてきた案件については当然ながら事業計画上、見込まれていないことが多いため、この追加支出を見込んだ採算の見直しが求められ、今後開発される案件についても必要となる蓋然性が高いことから、予め事業計画上に見込んでおき、採算性の確認が求められる。

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